標高2,100メートル超の小さな草原にムツアカネの取材に出かけた。
左は,真っ黒に成熟したオス。
右は,まだ未成熟で,黄色い模様が残っているオス。
アカネの仲間なのに赤くならずに真っ黒になる赤とんぼ。
もっとも,人間の目で見ての黒色だから,
トンボの目で見れば,紫外線を反射して,怪しい紫色のトンボなのかもしれない。
上の写真のように,草原の草にとまっている個体は珍しい。
一番のお気に入りは,登山・散策用の木道の上。
たくさんのムツアカネが集まっていて,登山者が通るたびに一斉に飛び立つ。
ただ,ムツアカネは小さいトンボの上に,真っ黒なので目立たず,
気がついたり,観察する登山者はほとんどいない。
木道の次に人気の場所は,上面が比較的平な岩の上。
手を出せば当然とまってくれるのだが,
アキアカネのように,人差し指をたててもダメ。
手の甲等を水平に出すと,平な部分にとまってくれる。
それにしても,オスはたくさんいるのだが,メスはどこにいるのだろうか。
草原の端の沼地を見ると,数頭のオスが飛んでいる。
しばらく観察していると,突然おつなぎのカップルが現れて産卵を開始した。
すかさず,近くを飛んでいたオスがちょっかいを出しにきて,
またカップルはどこかに飛び去ってしまった。
今日見たメスはこの個体だけ。まだ羽化し初めなのだろうか。
毎年メスもかなりの数を観察できるのだが・・・。
D7100 105mm
(長野県茅野市)