2017年8月28日
オオハンゴンソウに集まる蝶たち


 

山麓の各地で,異常なほどに増殖し,
林間から,草原まで,真黄色に染めてしまう,
環境省指定特定外来生物の,オオハンゴンソウ。
今年も,大きな群落が,山麓に観られる。
そんな厄介者の植物なのだが,
蝶たちには,非常に人気が高く,
多くの蝶たちが吸蜜に訪れていたので,
今日は,記録を兼ねて撮影してみた。

 

オオハンゴンソウの黄色の中で,最も良く目立つ蝶は,
真っ赤な翅の地色の,クジャクチョウ。
この色の組み合せは,とてもフォトジェニックではあるが,
クジャクチョウに似合う,日本古来の花は,
もっと優しい色合いのはず・・・と,
思いながら,撮影した。

 

吸蜜に訪れていた個体数が,
最も多かったのは,ミドリヒョウモン。
ヒョウモンチョウの仲間では,
この時期,最も多く見かける蝶だ。
左は,オス。右はメス。
メスの緑がかった地色は,翅裏の緑色と共に,
種名の通りなのだなと思わせる。

ミドリヒョウモンに混ざり,吸蜜していたのは,
メスグロヒョウモンのオス。
ミドリヒョウモンに似ているが,
斑紋が異なり,慣れると,一見で区別できる。
メスグロヒョウモンのメスは,アザミにいて,
なかなか,オオハンゴンソウにはやってこなかった。

メスグロヒョウモンのメス代わって,やってきたのが,
アサマイチモンジのメス。後翅にビークマーク付き。
白帯の幅が広い,とてもきれいな個体です。

 

そして,定番の,イチモンジセセリ。
まだ,数は少ないが,
これから,一気に増えると思われる。

やはり,定番なのが,ジャノメチョウ。
大きな,目玉模様のきれいなメスが,
長時間吸蜜していた。

 

先の,クジャクチョウに次いで,目立つのは,アカタテハ。
翅を,V字にゆっくり開閉しながら吸蜜しているので,
少し離れた場所からも,よく目立つ。

 

キタテハは,結構個体数は多いのだが,
小さい蝶なので,意外と目立たない。
花の上で,翅を広げて休んでいる個体も多い。
オレンジ色の濃い,秋型の個体ばかりとなった。

 

キタテハに混ざり,盛んに吸蜜する,シータテハ。
こちらは,翅を閉じて吸蜜する時間が長いので,
翅の裏の緑色が,意外と周りの緑に紛れ,目立たなくなる。
秋型の,翅の切れ込みの深い,濃いオレンジ色が魅力。

今日は,以上紹介した,9種の観察ができた。

 

D7100 150mm

(長野県諏訪郡原村)


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信州諏訪自然写真館
酒井雅秀