小さな,ハッチョウトンボが,飛び始めた。
体長15mm程度の,本当に小さなトンボ。
オスは,成熟すると,全身真っ赤な色で,
小さな割には,よく目立つ。
メスは,オスとは全く違う色合いの体。
褐色と,淡褐色のシマシマ。
この模様と色が,なぜか,草の中では,保護色となる。
一度飛んだ後,もう一度探すとなると,
すぐ,近くにとまっているのになかなか分からない。
オスたちは,お気に入りの場所で,縄張りを張り,
メスの通りかかるのを見張るが,
近くを,別のオスが通りかかると,
追いかけて,自分の縄張りから追い出すのごとく,
縄張り争いをする。
そんな,活動的なオスも,
飛び回っているうちに,クモの巣にかかってしまうものもいる。
人から見れば,かわいそうにも思えるが,
自然の摂理として,受け止めることとしよう。
こちらは,未成熟のオス。
未だ,体色が,真っ赤になっていない。
上右のカットでは,向こうのメスとの距離は,
10cmもないのだが,求愛する様子もない。
実は,この湿地は,他のトンボ類も多い。
しばらく,観察していると,交尾中の,
ホソミオツネントンボのとまった草に,
ハッチョウトンボのオスが,とまった。
D7100 150mm,300mm
(長野県伊那市)