標高2,000m付近の林道脇,斜面のコンクリート養生壁には,
雨や地下水で流れ出る,ミネラルを求めて蝶たちが多く集まる。
その中で,最もよく目立つのが,キベリタテハ。
大きなタテハチョウで,独特の黄色い翅の縁がよく目立つ。
黄色の縁の内側に並ぶ瑠璃色の斑も美しい。
翅の裏は,真っ黒で縁は淡褐色。目立たない色合い。
数頭が思い思いの場所で吸水する。
中には,カメラや車の周りを飛び回り,
汗の臭いに轢かれてくる個体も多い。
キベリタテハに次いで個体数が多いのは,
キベリタテハより一回り小さなエルタテハ。
キベリタテハと異なり,タテハチョウ共通の翅の模様を継承している。
亜高山のヒオドシチョウと言った模様だ。
翅の裏は,他のタテハチョウの仲間と同じ,枯れ葉模様。
キベリタテハとエルタテハは,見かけは全く異なるものの,
飛び方や行動はほとんど同じように観える。
養生壁周辺をゆっくりと滑空したり,
吸水するこれらタテハチョウたちを観ていると,
ああ今,亜高山帯にいるのだと実感する。
D7100 150mm,150-600mm
(長野県佐久市)