一眼レフだったら、大抵のカメラが使えます。カメラメーカーによっては、最新のオートフォーカス機でも、昔のマニュアルフォーカスのレンズが使えるように、配慮してくれているメーカーもありますので、できれば、そのようなメーカーの機種が使いやすいでしょう。蝶の撮影で、オートフォーカスを使うことは、ほとんどないと考えていいでしょう。
ここで、一つだけ注意点があります。それは、ファインダースクリーンが交換できるものということです。マクロでは、スクリーンは、全面マットもしくは、方眼マットが使いやすいため、他のスクリーンが標準になっているボデーでは、スクリーン交換が必要となります。
以上を考えると、最新の一眼レフより、数年前のマニュアルトップクラス機の方が、使いやすいのではないでしょうか。最新の一眼レフの多彩な機能を使う場面が、蝶の撮影ではほとんど出てきませんから。
自動機能で便利なのは、絞り優先AEでしょう。接写をする場合では、まず、レンズの絞りを決定してから撮影する場合がほとんどです。AEでなくても、内蔵露出計でこと足りる場合も、かなりあります。
ただし、ストロボを使用して、大写しに蝶を撮りたいときなどは、TTLオートでストロボが使えると、とても便利です。
OLYMPUS 50mm マクロレンズ 50mmレンズで詳細をシャープに写す SMC-PENTAX A 50mm F2.8 F11 OLYMPUS 90mm マクロレンズ 90mmレンズで背景をぼかす TAMRON SP 90mm F2.5 F4 SIGMA 24mm レンズ 24mmレンズで環境を広く写す SIGMA 24mm F2.8 F16 |
ずばり、マニュアルフォーカスのマクロ50mmレンズ1本で、ほとんどの写真が撮れます。蝶の写真を、オートフォーカスで撮るということは、めったになく、また、至難の業でもあります。レンズの距離リングを写したい撮影倍率に固定して、カメラを前後して、ピントをあわせる方法が接写には適しており、また、最もすばやくピントあわせができます。したがって、レンズは、マニュアルフォーカスで最も使いやすいものを選ぶ必要があります。
また、ズームレンズは、操作する箇所が、単焦点レンズに比べ、多くなり迷いが出るためシャッターチャンスをのがします。また、ズームレンズの必要性も、蝶の写真を撮るときには全くありません。自分が動けばいいのです。
その後、あると便利なのが、90mm,100mmクラスのマクロレンズと、35mm以下の広角レンズでしょう。 90mm,100mmクラスのマクロレンズは、背景をボカシたい時や、蝶にどうしても近寄れないときに便利です。 背景をぼかしたいときには、F値のできるだけ明るいレンズを使用すると良いでしょう。 シャープに写したいときには、F2.8 のレンズをF4 で使用するより、暗いF4 のレンズを開放で使用したほうが、シャープに撮影できるようです。
200mm,300mmのマクロも発売されていますが、なければないであきらめがつきますので、必要性は感じません。
広角レンズは、蝶と同時に生息環境を写し込みたいときや、ストロボと併用して蝶の飛翔撮影をする時に重宝します。 私は、機材をたくさん持っていけないときなどは、広角レンズ1本だけにしてしまいます。以外と、蝶程度の大きさの被写体では重宝するレンズです。 一般的には、21mmから28mmが使いやすいようです。SIGMA 24mmは、1:4 倍まで撮影倍率がありますので、マクロレンズと同等の使い方ができます。また、OLYMPUS 21mmは、近距離補正機構があり、最短撮影距離でも、素晴しい画像を得ることができます。
レンズを購入するときに、ピントリングを操作して、少し硬めくらいの操作感のものが、撮影中の振動等で、ピントリングがかってに動いてしまうことがなく、安心して使えるレンズです。 |
GN14のクリップオンストロボで飛翔を写す SUNPAK AUTO140 リングストロボで蝶と花を無影で写す OLYMPUS T10 RING FLASH 1 |
自然光で撮影するのが、最も自然できれいだと思います。しかし、飛翔する蝶や、林の中での撮影などでは、どうしても、ストロボを使わざるを得ない場合があります。自然光で撮影をしていて、必要性を感じてから用意してもおそくはないでしょう。 用意するときには、GN14程度の軽くて閃光スピードの速いストロボと、ストロボ角度を変えるための可変アングルホットシューを同時に購入すると便利です。閃光スピードの目安は、1/1800以上を探すとよいでしょう。一般的に、GNの小さなストロボほど、閃光スピードが速いものです。GNの大きなものでも、マニュアルの1/4や1/16発光のできるものであれば、閃光スピードを速めることができます。 また、蝶と花を同時に美しく撮りたい時などには、リングストロボがあれば、いやな影が出ずに撮影できます。最近のリングストロボでは、TTLオートで撮影できるものも多くなり、そのようなストロボとカメラを組み合わせると、簡単に、ストロボ無影撮影ができます。 |
正直なところ私は、三脚をほとんど使っていません。そんな余裕がないためですが・・。三脚の心配よりも、カメラの確実なホールドと、手ぶれ防止のための練習に、時間をかけたいものです。
三脚を用意するときには、小型でかつ、しっかりした作りのものが、フィールドではじゃまにならず、しかもしっかりとカメラを支えてくれます。全高1200mm程度のものでも十分です。
コツバメを撮影中の二男・修二(小4) トレーニングウェアーは、動きやすく 蝶を追いかけるには最適だ。 |
町中での撮影では、好きなファッションでお楽しみください。 フィールドでの撮影の時には、できるだけ運動しやすい服、帽子、トレッキングシューズ等を身につけましょう。蝶を追いかけていると、知らないうちに、かなりの運動をしていることがあります。(土手から転がり落ちることもあります。)動きやすい服装に心がけましょう。 それから、帽子を忘れないようにしてください。 カメラストラップは、幅広タイプで肩、首に負担の少ないものにしましょう。蝶はデザインまで気にしていませんから、自分の好きなデザインでよいでしょう。 オレンジ色と赤色の物には、スズメバチが様子を伺いにやってきますので、着用しないほうがいいかもしれません。もちろん、蝶の仲間にも、様子を伺いに来る種もいます。 |
フィールドフォトテクニック3 「昆虫写真マニュアル」 海野和男 著 東海大学出版会
ISBN-486-01023-X 1500円
「マルチメディア蝶図鑑」 藤岡知夫 監修 海野和男 著 アスキー出版局
ISBN4-7561-1419-9 5800円
「チョウの世界」 海野和男 著 共立出版 3800円
「Butterflies
蝶の飛ぶ風景」 海野和男 著 平凡社
ISBN4-582-52933-X 4200円
「昆虫記」 今森光彦 著 福音館書店 ISBN4-8340-0810-X
「世界昆虫記」 今森光彦 著 福音館書店 ISBN4-8340-0179-2 4900円
「夢蝶美」 村田泰隆 著 保育社 ISBN4-586-18027-7 4800円
「チョウのいる風景」 村田泰隆 著 保育社 ISBN4-586-18031-5 4800円
「アゲハチョウ」 松本克臣 著 山と渓谷社 ISBN4-635-59029-1 2500円
「おきなわ蝶物語」 安次嶺 馨 著 新日本教育図書
ISBN4-931314-22-8 2060円
「エゾシロチョウ
オホーツクの丘の群舞」 竹田津 実
著 北海道新聞社
ISBN4-89363-729-0 2200円
「自然を撮る ネイチャーフォトハンドブック」 グリエルモ・イッチ、フランチェスコ・メザテスタ 共著
松田義弘 監修 マール社 ISBN4-8373-0505-9 2950円
「ゼフィルス24」 大倉舜二 著 朝日新聞社 ISBN4-02-255529-7 26000円
「ギフチョウ・ヒメギフチョウその混棲」 倉兼 治 著 誠文堂新光社
ISBN4-416-88304-8 2300円
「信州の蝶」 浜 栄一 監修 栗田貞多男 写真・解説 田下昌志
解説・データ 信濃毎日新聞社
ISBN4-7840-9610-8 2800円
「ゼフィルスの森」 栗田貞多男 著 9800円
「INSETTI IN VOLO」 JOHN BRACKENBURY ISBN 88-206-3747-2 LIT 35,000-