暖かな日が昇ってきたが,コハクチョウたちは寝ている。
風が強いので,まだ丸まっていたいのだろうか。
ところが,その強い風で,岸近くにあった,
コハクチョウたちのねぐらになっていた氷が動き始めた。
見る見るうちに,沖に流されていく。
200メートル程沖に出たところで,やっと数羽が首を伸ばし,辺りを伺う。
早速,ほとんどの個体が起きて,湖面を泳ぎ始めた。
互いに鳴き交わして泳いでいる。
「岸の方へ移動するよ」とでも合図しているのだろうか。
そのうちに,泳ぐのは面倒だと感じたのか,
飛び立って移動する個体も出始めた。
途中,泳いでいる,家族と思われる個体の近くに着水して,
大きな声で鳴き交わすものもいた。
お互いを確認し合っているのだろう。
次々に,飛び立って,家族毎に合流しているようだった。
その後は,今度は岸沿いに,柔らかな日差しのもと,
ゆっくりと泳いでいた。
ふと氷の方を良く観ると,
あれあれ。1羽まだしゃがみ込んだり,羽繕いしたりしている。
もう岸から500メートル以上はなれてしまっている。
肉眼では,氷の上に黒っぽい点があるようにしか見えない。
D7100のクロップモード800ミリ相当でも,やっとこの大きさ。
戻る気はないのだろうか。
しばらく見守っていると,やっと飛び立った。
この1羽が最後の個体です。
岸まで一気に飛んで戻ってきた。
シベリアから渡ってくるのだから,
500メートルくらいは,飛ぶうちには入らないでしょう。
D7100 400mm
(長野県岡谷市)