標高1,000mを超える山麓も,芽吹きの季節を迎えた。
厳しい冬を越したニホンザルたちも,やっと食べ物の豊富な季節となり,
表情や仕草も明るくなったように感じる。
若猿たちは,大きなイタヤカエデや,柳の木の枝先まで,
どんどん登っていき,柔らかくおいしい新芽を食べていた。
今年生まれたと思われる,小さな小猿を連れた母猿が多く観られる。
その周りに,昨年以前に生まれたと思われる,小猿がつきまとっている。
こうした母猿は,あまり高く細い枝には登らず,
太い枝や,地面で活動している。
食べる芽も,枝先に多い新芽ではなく,
ニリンソウや,オオイタドリの芽が多いようだ。
小猿たちは,母猿がゆっくり歩くときは,母猿の背に乗っていることが多いが,
少し小走り気味になると,くるんと回り込んで,ぶら下がる形で掴まる。
上のカットは,一見,同じ母子に観られるが,別の母子の移動シーン。
左は,歩いているが,右は,走っている。
ひとしきり,食事が終わると,場所を移動して,喧嘩したり遊んだり。
そんな中で,興味深い行動が,上のカット。
古い砂防堰堤に生じたクラックから,染み出てくるミネラル分を,
長時間舐める行動。塩カルの撒かれた,林道の砂利を舐めるシカの行動に似ている。
人の行った事象の結果が,自然界に思わぬ恩恵を与えている。
D7100 150mm
(長野県大町市)