今年も山麓は,クモマツマキチョウの季節を迎えた。
未だ,数は少ないが,小さなオレンジ色の翅の固体が,
林縁をせわしなく飛び交うようになった。
所々で花に舞い降り,吸蜜をする姿は,
信州の山麓の春の光景と言える。
タチツボスミレがお気に入りのようで,
特に朝一番の吸蜜では,長時間花から離れない。
背景の林縁も,ちょうど芽吹きの季節なので,
柔らかな淡い新緑で,いかにも春らしい。
ゆったりとスミレの花を渡り飛ぶ様は,
山麓の春の妖精的な魅力がある。
高山蝶なのだが,比較的標高の低いところでも観られ,
信州の蝶としても,生息を守ってやりたいと思う。
D7100 150mm,10.5mm
(長野県大町市)