亜高山の林道脇の枯れ草に,スジボソヤマキチョウが寝ていた。
未だ気温が低いので,全く動かず,じっとしている。
気温が上がり,体が温まるのを待っているようだ。
きっと,越冬していた時も,同じような体勢でいたのだろう。
体が動くようになると,ゆっくりと動き,近くの枯れ葉の上に飛ぶ。
お決まりの体を寝かした体勢で,日向ぼっこを始めた。
しばらくすると,近くのヤナギの花に舞い上がり吸蜜し始めた。
スジボソヤマキチョウの一日の始まり。
日当りの良い土手のスミレで,
吸蜜しているオスを観察していると,メスが通りかかった。
すかさず,オスはメスを追いかけ,求愛飛翔が始まった。
飛んでいる姿を観ると,オスは翅がかなり傷んでいるが,
メスは傷みが少なく綺麗な個体なのがわかる。
メスが枯れ葉の上に舞い降りると,
オスも舞い降り,体と翅を震わせながら求愛する。
少しずつ場所を変えながら,長い間求愛が続いた。
再びメスが舞い上がると,オスが続き,求愛飛翔が再開。
しばらく地面近くで舞っていたが,
しだいに高度を増し,土手上の林の中にそのまま消えていった。
D7100 10.5mm,150mm,300mm
(長野県伊那市)